小説

『カラフル』 森 絵都(著)感想【Take it easy】

こんにちは、こうへい(@koheinoblog)です。

小説『カラフル』 森 絵都(著)を紹介します。

ジャンルとしては児童文学にあたると思いますが、大人の方にも読んでほしいです。

もっと気楽に生きてもいいんだと思わせてくれる作品です。

この小説のキーワードは「輪廻」「自殺」「ホームステイ」です。

オススメ度:

あらすじ

「おめでとうございます! 抽選にあたりました! 」 生前の罪により輪廻のサイクルからはずされたぼくの魂が天使業界の抽選にあたり、 再挑戦のチャンスを得た。 自殺を図った中学三年生の少年、小林真の体にホームステイし、 自分の罪を思い出さなければならないのだ。 ガイド役の天使のプラプラによると、父親は利己的で母親は不倫しており、兄の満は無神経な意地悪男らしい。 学校に行ってみると友達がいなかったらしい真に話しかけてくるのは変なチビ女だけ。 絵を描くのが好きだった真は美術室に通いつめていた。 ぼくが真として過ごすうちに、しだいに家族やクラスメイトとの距離が変っていく。 モノクロームだった周囲のイメージが、様々な色で満ちてくるーー。

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感想

題名からは想像がつかない内容ですが、読み終わった後はこの題名がぴったりだと感じます。

色にあふれた世界だから、楽しみも苦しみもあります。

何のために生きるのかはいまだによくわかりませんが、それでも気楽に生きていいのではないでしょうか。

「人生は死ぬ前のひまつぶし」という言葉を聞いたことがありますが、あながち間違いではないように思います。

世界にいろんな色があるように人もいろんな色を持っています。

ぱっと見えた一色で決めつけるのは良くないです。

自分が昔に読んでいたら、今とは違う感想を抱いているかもしれません。

中高生が読むと何を思うのかも気になります。

真は父親と兄の満については誤解もあり、それが解けてよかったです。

母親については好きになれない部分もありますが、親だって完璧なわけがありません。

自分が子どものときは親が絶対のように感じてしまっていましたが、今はそうでないことがわかります。

僕はまだ結婚もしていませんが、親はこの年で子どもがいました。完璧でなくて当然です。

親に対する認識と同じように、昔はこの世界に対する認識も違っていました。

子どもにとっての世界は、大抵が家か学校かの狭い範囲だと思います。

だから家でも学校でも居場所がなければ、何もかもが嫌になって生きるのがつらくなってもおかしくありません。

大人はお金があれば解決できることもいろいろあります。

もちろん大人には子どものときにはなかった責任もあるので、楽だと言うつもりはありません。

子どもには子どもの悩みがありますし、大人には大人の悩みがあり、共通する悩みもあります。

それでも自殺をしてしまう、もしくは屍のように生きるのはもったいないです。

そうは思えない時期もありましたが、今では心からそう思います。

せっかく生きているのだから、少しでも好きなことをして生きたいです。

ただし、自殺が悪だとも思えません。

この小説には反してしまいますが、その考えは変わりません。

いろんなことを考え天秤にかけて出した結論が自殺なのであれば、他人がどうこう言えることではないと思うからです。

死を選ぶ自由があってもいいのではないでしょうか。

もちろん悲しいことなので、自殺する必要がない世の中になればいいなと思います。

印象に残った言葉


「五千年早く生まれてればなあ」
「石を道具にしたり、みんなで家を建てたり、自分で狩った獣をまだ心臓の熱いうちに食ったり、さ。おれ、そういう時代にひと旗あげたかったよ」


いいことがいつまでも続かないように、悪いことだってそうそう続くもんじゃない。


この世があまりにもカラフルだから、ぼくらはいつも迷ってる。
どれがほんとの色だかわからなくて。
どれが自分の色だかわからなくて。


すべてが遅すぎるわけじゃない。
おまえが早まりすぎたんだ……。


今日と明日はぜんぜんちがう。明日っていうのは今日の続きじゃないんだ

知らなかった単語・知識

たけなわ(酣/闌)

行事・季節などが最も盛んになった時。盛りが極まって、それ以後は衰えに向かう時。また、そのようなさま。真っ盛り。真っ最中。

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