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著者から読者への挑戦『星降り山荘の殺人』 倉知 淳(著)感想

こんにちは、こうへいです。

小説『星降り山荘の殺人』 倉知 淳(著)を紹介します。

著者が読者に真っ向勝負を挑む、本格ミステリです。

ぜひみなさんも推理に挑戦してください。

オススメ度:

『星降り山荘の殺人』あらすじ

雪に閉ざされた山荘。そこは当然、交通が遮断され、電気も電話も通じていない世界。集まるのはUFO研究家など一癖も二癖もある人物達。突如、発生する殺人事件。そして、「スターウォッチャー」星園詩郎の華麗なる推理。あくまでもフェアに、真正面から「本格」に挑んだ本作、読者は犯人を指摘する事が出来るか。

『星降り山荘の殺人』おすすめな人

クローズドサークルが好きな人

クローズドサークルとは、外界との接触が絶たれた閉鎖空間のことを指します。

ミステリ好きの方にとっては、たまらない舞台設定ではないでしょうか。

アガサ・クリスティーの「そして誰もいなくなった」があまりにも有名ですね。

本作では山荘が舞台となっており、途中雪がひどくなった影響でクローズドサークルが完成されます。

人の往来はもちろん、電話も通じない完全な閉鎖空間です。

読者への挑戦が好きな人

あらすじからもわかるように、著者VS読者の構造となっています。

いわゆる「読者への挑戦」ですね。

先ほどのクローズドサークルと同じく、ミステリ好きがわくわくする設定です。

各章のはじめには四角で囲まれた文章があり、推理の手掛かりとなります。

例えば物語の冒頭は以下の文章で始まります。

まず本編の主人公が登場する
主人公は語り手でありいわばワトソン役
つまり全ての情報を読者と共有する立場であり
事件の犯人では有り得ない

その他にも、建物の構造が重要なファクターであることや、その章に重要な伏線が張られているというような宣言もしています。

このようなヒントをちりばめるのが、フェアと謳っている所以です。

ここから下の感想では、完全ではありませんがネタバレ要素を含みます。

まだ本作を読んでいない方はご注意ください。

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『星降り山荘の殺人』感想(ネタバレ要素あり)

かなり意気込んで読んだのですが、まったくわかりませんでした…

犯人を絞っていく糸口さえ見えていなかったのに、追い打ちで完全にだまされました。

まさかあの部分が巧妙なミスリードになっていたとは…

真相を知ってから見返すと、納得でした。確かにフェアだ。

自力で真相がわかった人ってどれくらいいるんでしょうか?気になります。

ロジック関係なく、物語の展開としては和夫・星園・麻子の誰かが犯人なんだろうと思っていたのですが…

特に麻子は、主人公の和夫と親しくなったこと、そして殺人事件が発覚してからお昼ご飯の準備をしているところで笑顔を見せている描写があったので。

この作品が推理という面で優れているのはもちろんなのですが、キャラクターも魅力的でした。

主な登場人物9人の全員キャラが立っており、物語全体的に読むのがおもしろかったです。

その中でも映えていたのはダントツで星園詩郎です。

なんせ職業「スターウォッチャー」ですよ。

始めは気障でかなり胡散臭い印象でしたが、身の上がわかり、だんだん好きになっていました。

何も知らない状態に戻ってもう1度読み返したい作品の1つです。

『星降り山荘の殺人』知らなかった単語・知識

万年床(まんねんどこ)

いつも布団を敷いたままの寝床。

デジタル大辞泉

シャン(※死語らしいです)

《〈ドイツ〉schön(美しい、の意)から》美しいこと。また、美人。もと、旧制高等学校生の学生語。

デジタル大辞泉

キャトルミューティレーション

動物の死体が内臓や血液を失った状態で見つかる怪現象。
謎の力で地上から攫われ、UFOの中に引きずり込まれた動物は内臓と血をきれいに取り除かれてしまう。
こうした処理の終わった死体が地上で発見されることもある。
地球人たちは傷口のレーザーで切り取ったような鮮やかな切れ口を見て、その得体のしれない所業に寒気を覚えずにはいられない。

真相
動物が死ぬと、鳥や獣や虫が食べにくる。
やわらかいところからきれいに食べられてしまう。特に眼球や性器、内臓といった柔らかく食べやすい部分は真っ先に食べられる。
血は傷口から流れ落ちたり、死体の下側に溜まっていった結果、地面に染み込む。
それだけである。

キャトルミューティレーション (きゃとるみゅーてぃれーしょん)とは【ピクシブ百科事典】 (pixiv.net)

稚児(ちご)

1 ちのみご。赤ん坊。
2 幼い子。幼児。
3 祭礼や寺院の法楽などの行列に、美しく装って練り歩く児童。
4 寺院や、公家くげ・武家で召し使われた少年。男色の対象となることもあった。

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