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世界観が独特なミステリ『お前の彼女は二階で茹で死に』 白井 智之(著)感想

こんにちは、こうへいです。

小説『お前の彼女は二階で茹で死に』 白井 智之(著)を紹介します。

表紙絵からは全く想像ができない設定・展開に圧倒されます。

かなり特殊ではありますが、宣伝で謳われているように本格ミステリです。

オススメ度:

『お前の彼女は二階で茹で死に』あらすじ

自殺した妹・リチウム(ミミズ人間)の仇を討つために、刑事になったヒコボシ。事件を追いながら、リチウムを自殺に追い込んだ連中の尻尾を掴み、破滅させてやろうとたくらむ。事件の謎を解くのは、天才的な推理力を持つ女子高生探偵・マホマホ。しかし、彼女はヒコボシに監禁されていて……。

高級住宅地ミズミズ台で発生した乳児殺害事件。被害者の赤ん坊は自宅の巨大水槽内で全身を肉食性のミズミミズに食い荒らされていた。真相を追う警察は、身体がミミズそっくりになる遺伝子疾患を持つ青年・ノエルにたどりつく。この男がかつて起こした連続婦女暴行事件を手がかりに、突き止められた驚くべき「犯人」とは…!?

『お前の彼女は二階で茹で死に』おすすめな人

奇妙な世界観が好きな人

この小説が特殊であることは、目次を見るとすぐにわかります。

目次
・ミミズ人間はタンクで共食い
・アブラ人間は樹海で生け捕り
・トカゲ人間は旅館で首無し
・水腫れの猿は皆殺し
・後始末

「ミミズ人間」「アブラ人間」「トカゲ人間」という言葉に困惑することと思います。

もちろん著者が作り出した架空の人間で、人間離れした特徴を持ちます。

その特徴が、それぞれの殺人事件のトリックの肝となります。

グロテスクに耐性がある人

目次に「共食い」「生け捕り」「首無し」「皆殺し」とあるように、ミステリの中でもかなり物騒です。

グロテスクな表現が出てくるので、耐性がある人でないと読書を楽しむどころではないかもしれません。

逆に耐性がない人には全くおすすめできません。

特に女性は気を付けてください。

ストーリーは全然違いますが、道尾 秀介の『向日葵の咲かない夏』を思い出しました。

両者ともに、好き嫌いがかなり分かれる作品です。

『お前の彼女は二階で茹で死に』感想

読んでみて好きとも嫌いとも言えないのが正直な感想です。

やはり奇妙、グロテスクであることが影響しています。

ただし、この作品は奇抜さ一辺倒で注目を集めているわけではありません。

設定・描写はグロテスクですが、謎解きという点でいえばロジックを意識して作られています。

筋道を立てて様々な可能性から1つに絞っていく過程が、まさしく本格ミステリと言えます。

その筋道の分岐がノエルが○○○する相手というのが、またとんでもなく常軌を逸しています。

この物語には普通の人間は登場しません。

主人公の刑事ヒコボシが正義かと思いきや、妹の敵を討つためとはいえ女子高生マホマホを監禁・虐待している時点で黒です。

マホマホについてはほとんど説明がなく、謎が残ったまま終わってしまったのは少し残念です。

ヒコボシとマホマホ中心の物語かと思っていたら、そうではなくヒコボシとノエルの物語でした。

敵討ちの結末がなんとも…

いろいろ書きましたが読んで後悔は全くありませんし、この作品を知れてよかったです。

『お前の彼女は二階で茹で死に』学んだ単語・知識

オブラート

① でんぷん質にゼラチンを混ぜて作った透明の薄片。飲みにくい粉末の薬を包んだりキャラメルを包むのに用いる。古く用いられたせんべい状の硬質オブラートは現在はほとんど用いない。
② 比喩的に、刺激などをやわらげるためのもの。

精選版 日本国語大辞典

蜚蠊(ごきぶり)

この漢字の由来は「蜚」という漢字に「あぶらむし」や「とぶ」という意味があり、ゴキブリは飛ぶためこの漢字が使われています。
「蠊」という漢字はゴキブリの漢字に使われていること以外に明確な情報がなく、不明です。

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