こんにちは、こうへいです。
小説『最後の医者は雨上がりの空に君を願う(上)』 二宮敦人(著)を紹介します。
シリーズ2作目で、3作目と上下セットになっています。
同じ病気でも明暗が分かれた2人の行く末が印象的です。
オススメ度:
目次
『最後の医者は雨上がりの空に君を願う(上)』あらすじ
「流されるままに生きればいい」。小さな診療所を始めた医者・桐子は患者に余命を受け入れる道もあると言い切る。一方、かつての同僚・福原は大病院で閑職に追いやられてもなお、患者の「延命」を諦めない。別々の道を歩む二人が、ある難病の恋人同士を前に再会を果たす時、それぞれに壮絶な過去が呼び覚まされるのだった。
第一章 とあるチャラ男の死
第二章 とある母親の死
『最後の医者は雨上がりの空に君を願う(上)』おすすめな人
『最後の医者は桜を見上げて君を想う』を読んだ人
この小説はシリーズ全3作の内の第2作です。
メインの登場人物が福原と桐子というのは前作と同じですが、話のテイストはかなり違います。
おもしろさは色褪せることなく、むしろ増しています。
桐子の幼少期についても描写があるので大注目です。
病院に行くのがめんどくさいと思っている人
僕もめんどくさがりの性格で、病院に行くのもあまり気が進みません。
ちょっとしたことであれば、そのうち勝手に治ると思ってしまうのです。
物語の中でも、何かと理由をつけて病院へ行かない人物が登場します。
極端に描かれているので実際にここまでの人はいないはずですが、身につまされる思いです。
Kindle Unlimitedに入っている人
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『最後の医者は雨上がりの空に君を願う(上)』感想
感動という要素は前作のほうが大きかったですが、同じくらい好きでした。
場面間の切り替えで記号「†(ダガー)」が使われているのが印象的です。
第一章で出てくる病気は、HIV・エイズです。
HIV=エイズではないというのは何となく聞いたことがあったものの具体的には知りませんでした。
HIV陽性はヒト免疫不全ウイルスに感染した状態で、エイズはHIV感染後に免疫機能が低下して指標疾患と呼ばれる症状が出る状態です。
物語で出てくる男女も、HIVとエイズの違いはわかっていませんでした。
ただし病院に行くか行かないかの選択が分かれたことで、2人の結末は大きく変わってしまうのです。
症状が悪化していく描写が恐ろしくて印象的でした。
何か異変があったら病院に行かなくてはいけないという気持ちになりました。
第二章は桐子の幼少期の物語です。
昔から冷めた性格をしていて、ちょっとおもしろいです。
ある女性と出会い、少しずつ考え方が変わっていくのが心打たれます。
今回は上巻だったので、第二章は完結せず次に続く終わり方でした。
とても気になるのではやく下巻も読みたいと思います。
『最後の医者は雨上がりの空に君を願う(上)』印象に残った言葉
駿太さんは現実を見ないふりする方が好きなんですね。そうか。そこが僕とは違うんですね。なるほど。
頑張ったってどうにもならないのが、病気なのだから。
手の届かない現実は創作と変わらないのだ。
目には見えないけれど、何であれ人にはそれぞれ回数が割り振られている、それがゼロになったら終わり。
人生で食べられる回数はもう尽きたということだ。
僕はそうして、色々な回数を使い切ってしまったに違いない。
あなたならできる。いや、あなたにできなければ、きっと他の誰にもできない。僕はそれを見届けたい。そのためなら、何だってする。
『最後の医者は雨上がりの空に君を願う(上)』知らなかった単語・知識
トラバーチン模様
「トラバーチン模様」とは天井の模様の一つで、虫食いの跡のような独特な縞模様が特徴的です。
トラバーチン模様の基礎知識|使われている場所や種類をご紹介|東京・千葉・福岡でシステム天井工事、店舗・オフィス内装はSEED (seed-sc.com)
「トラバーチン」という名称は、無機質石灰岩の一種で大理石に分類されるトラバーチンに由来します。
天然に採掘されるトラバーチンが持つ緻密な縞状構造を、建築デザインに転用したものがトラバーチン模様なのです。