こんにちは、こうへいです。
さかなクンの自叙伝『 さかなクンの一魚一会 ~まいにち夢中な人生!』を紹介します。
最近『さかなのこ』という映画が公開されたと知って久しぶりに読みました。
映画化にあたってフィクションも混ぜられているようですが、原作はこの作品です。
好きなことに夢中な人生は素晴らしいなと実感します。
好きなことはあるけれど進路に悩んでいる、という人には勇気を与えてくれる1冊になるはずです。
オススメ度:
あらすじ
トラック、妖怪、タコ、そしてお魚!
大好きなものに夢中になりつづけてきた男の子は、大きくなって、さかなクンになりました。
大好きなことを見つけて、つづけること。ワクワクと感動がいっぱいの生き方のひみつが、この本にはつまっています―。
ポイント
お絵描き
さかなクンが描いたじょうずな魚の絵はみなさん一度は見たことがあると思います。
幼少のころから好きになったものの絵をいっぱい描いていたそうです。
トラックに始まり、次は妖怪、タコそしてお魚です。
幼魚時代のイラストと称してさかなクンが実際に描いた絵が掲載されています。
細かいところまで正確に表現されていて、年齢関係なくすごいです。
行動力
さかなクンは昔から図鑑を見ることや絵を描くことが好きですが、決してインドアだけではありません。
それはトラックを好きな幼いときからです。
タコや魚を好きになってからで言うと、毎日お魚屋さんに行き、休みの日には釣りに行っていました。
友だちや、友だちの家族・親戚、知らない人に対しても、魚が好きというのが伝わって懐に入り、ますます詳しくなっていきます。
そしてさかなクンが成し遂げた偉業として、カブトガニの人工孵化があります。
とても珍しいことで、水族館でもめったに卵は産まれません。
素人が人工孵化に成功したのは日本初です。
学校の理科室で飼っていたのですが、狭い水槽の中がかわいそうで理科室の床を散歩させていたことがよかったかもしれないらしいです。
誰も飼ったことがない生き物を育てるのに怖気づいてもおかしくありません。
しかしさかなクンはまったくそんなことはなく率先してカブトガニの世話をして楽しんでいました。
偉大な母
タコを本当に飼うつもりでいることを、信じていたのは母だけでした。親戚中が、すごいすごいとほめてくれたものの、飼う宣言に取り合ってくれる人は母以外だれもいませんでした。
こういうとき、母はいっしょにいてもいっさい口を出してきません。お店にお願いするときも、ぜんぶ自分でやるのです。母はただ後ろで見守ってくれているだけ。失敗することのたいせつさを、身をもって学んでもらいたかったのかもしれません。
「本当に絵がお上手ですね。彼の描く絵はすばらしい。ただ、授業中も魚の絵を描いてばかりで、授業にまったく集中していません。もう少し、学校の勉強もきちんとやるように家庭でもご指導していただけませんか。」
すると母はいつもこう言っていたそうです。「あの子は魚が好きで、絵を描くことが大好きなんです。だからそれでいいんです。」
さかなクンが好きなことで成功したのは、努力の賜物です。
しかしお母さんの存在なくしては、かなわなかったかもしれません。
全力で応援して、信じてあげています。かといって甘やかしているというわけでもありません。
さかなクンが主体的に動くように、見守っているだけというところです。
失敗するとわかっていても口を出さずにいたという徹底ぶりです。
印象に残った言葉
メジナは、広い海の中では仲よく群れを作って泳いでいます。それなのに、狭い水槽の中に入れると、なぜだかいじめがはじまってしまうのです。学校も水槽も、広い世界や海と比べると、どちらも狭く限られた小さな世界。狭いところにいると、お魚も人も、みんな心が苦しくなっちゃうのかなあ……?そんなことを思ったのでした。
もしお子さんがいらっしゃったら、いまお子さんが夢中になっているものが、すぐ思い浮かぶはずです。それは虫かもしれないし、ゲームやお菓子かもしれません。つい「もうやめなさい!」なんて言ってしまいたくなるかもしれません。けれど、ちょっとでもお子さんが 夢中になっている姿を見たら、どうか「やめなさい」とすぐ否定せず、「そんなに面白いの?教えて。」と、きいてみてあげてください。きっとお子さんはよろこんで 話をしてくれるはずです。その小さな芽が、もしかしたら将来とんでもなく大きな木に育つかもしれません。
感想
素敵な本に出会えました。ぜひ映画も見てみたいです。
さかなクンは好きなことを突き詰めて、幸せな人生を送っています。
好きこそものの上手なれを体現しています。
どんな分野であれ、好きなことに夢中で生きている人は輝いて見えます。
自己啓発本を読むよりもよっぽど啓発・刺激されました。
子どもの頃にこんな本があったらとか、もっとはやくこの本に出会えていればよかったのにという思いもありますが過去は変えられません。
自分が本当に熱中していれば、このような本がなくても自然と好きなことをやっていたでしょうし。
今からでも好きなことをもっと大切にします。
さかなクンがすごいのはもちろんですが、やはりお母さんの存在が大きいと思います。
最近でこそ「好きなことで生きていく」であったり、生き方の多様性が世の中全体に広まっていますが、さかなクンが生まれたときはそのような考え方を受け入れる風潮はあまりなかったのではないでしょうか。