こんにちは、こうへいです。
書籍『思考の整理学』 外山 滋比古(著)を紹介します。
東大・京大でこの10年1番読まれた本とのことです。
初版が1986年であることを考えると、かなりのロングセラーかつベストセラーです。
オススメ度:
『思考の整理学』要約
グライダーと飛行機
グライダーと飛行機は空を飛ぶという点では同じですが、自力で飛ぶことができるかという大きな違いがあります。
それになぞらえて、人間にはグライダー能力と飛行機能力があると述べています。
受動的に知識を得るのが前者、自分で物事を発明・発見(=創造)するのが後者です。
学校教育ではグライダー能力が高く評価されますが、社会で成功するには飛行機能力も必要です。
グライダー能力という点では、コンピューターという極めて優秀な存在が現れたからです。
後半で登場する倉庫型の頭と工場型の頭というのも、グライダーと飛行機の関係と似たことを言っています。
創造
0から1を生み出すことだけを指すのではなく、すでに存在するものを結びつけて新しいものを生み出すことも創造です。
むしろ0から1を生み出すようなことはめったに起こりません。
編集も立派な創造というわけです。
また結びつけるというところから、アナロジーによる問題解決の有効性についても説いています。
整理
タイトルにもある通り、整理というのがこの本の肝になります。
思考の整理は、寝かせること・忘れることが大切です。
手段の1つとしてメモをとることを推奨しています。
1つのことに集中している状態は一見いいようにも思えますが、視野が狭くなっていることでもあります。
時間を置き、その間は他のことを考えるというのが思考の整理につながります。
いい考えが浮かぶ状態として「三上」や「三中」を紹介しています。
三上:馬上、枕上、厠上
三中:無我夢中、散歩中、入浴中
他に、考えを抽象化して自分だけのことわざをつくることも整理になります。
『思考の整理学』感想
僕は知識を身に付ける勉強は得意ですが、それだけではいけないと実感することも多いです。
この本を読んで「考える」という行為についての理解が深まりました。
刊行されてから36年経った今でも読まれているだけあって、とてもよかったです。
定期的に読み返したいと思います。
この本を読んでいると、以前読んだことがある『アイデアのつくり方』という本が思い浮かびます。
2つの本はアプローチこそ違いますが、主張している内容には近いものがあります。