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令和の短編ミステリ集『#真相をお話しします』 結城真一郎(著)感想

こんにちは、こうへい(@koheinoblog)です。

小説『#真相をお話しします』 結城真一郎(著)を紹介します。

マッチングアプリやリモート飲み会、Youtuberなど最近の流行が取り入れられた短編ミステリ集です。

この中の一篇「#拡散希望」が第74回日本推理作家協会賞を受賞しました。

メディアで大きな話題になっています。

オススメ度:

特におすすめな方

ミステリ初心者や普段あまり本を読まない方

だまされるのが好きな方

話題の作品は読んでおきたい方

あらすじ

惨者面談

家庭教師の派遣サービス業に従事する大学生が、とある家族の異変に気がついて……。

ヤリモク

妻子持ちの42歳の男が、マッチングアプリで女性を「お持ち帰り」する。娘もマッチングアプリでパパ活をしているようで…

パンドラ

不妊に悩む夫婦がようやく授かった我が子。しかしそこへ「あなたの精子提供によって生まれた子供です」と名乗る別の〈娘〉が現れたことから予想外の真実が明らかになる。

三角奸計

大学時代に自然と寄り集まってできた3人の男グループ。社会人4年目にその内の1人が転勤してから集まっていなかったが、5年ぶりにリモート飲み会をすることになった。しかし、その最中に不穏な動きがあり…。

#拡散希望

子供が4人しかいない島で、僕らはiPhoneを手に入れ「ゆーちゅーばー」になることにした。でも、ある事件を境に島のひとびとがやけによそよそしくなっていって……。

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感想

どれもかなり読みやすく、内容もそれなりにおもしろかったです。

オチもシンプルでキレのいいものばかりでした。

初めにタイトルを見たときに疑問に思った漢字も、後から見返すとその意味に納得します。

ふつうであれば「三」者面談のところが「惨」となっていたり、三角「関係」が「奸計」になっていたりします。

わかりやすい展開だったのですが、「パンドラ」だけ少し引っかかる所がありました。

それは最後の2文です。

その足取りは、実に軽やかだった。

まるでその背に広げた一対の翼で、これから大空へと舞い上がらんばかりに。

オチはすぐわかりましたが、この2文がどこか意味深でさらにひねりが加えられているんじゃないかと思ってしまうのです。

読み返してもわからないので、特に大きな意味はなく深読みしすぎたと結論付けましたがまだもやもやしています。

あえて意味を付けるならば、翼の片方を引きちぎる意志は全くないということでしょうか。

5つの短編の中で「#拡散希望」が一番好きでした。

これはオチの意外性とともに、そのスケールに驚きました。

話題を集めるためならば手段は選ばないということですね。

この設定を100%あり得ないと言い切ることができないのが恐ろしいです。

この短編を入れた時点で、東海オンエアの虫眼鏡に帯を書いてもらうことは決めていたのでしょうか。

知らなかった単語・知識

奸計(かんけい)

悪いはかりごと。悪だくみ。

デジタル大辞泉
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